【初心者向け】5分でわかるバスケの基本ルール【2020最新】

最近Bリーグが盛り上がってきましたね。八村塁選手や渡邊雄太選手がNBAで活躍したりと、バスケットボールに対する国内の注目も高くなってきました!小さい頃からバスケットボールを続けてきた私も「ついにバスケに光が当たった…!」と嬉しいかぎりです。

でも、だからこそ、ルールもよくわからないまま、試合を見ている人も増えているのではないでしょうか。

たしかにスピード感や迫力はあるので、それでも十分楽しめるのがバスケのいいところです。

でも、それでは、やっぱり、もったいない!ルールを知れば知るほど、どんな駆け引きがあって、なぜこのプレーがすごいのか、を理解することができます。これが分かれば分かるほど、よりバスケ観戦も楽しさが増していくのです!

ここでは、

  • 体育の授業ではやったけど、よくルールがわかってない
  • 見ていて迫力はあるけど、実際何が起きているのかよく分からない
  • なぜ試合が止まっているのか、分からなくてモヤモヤする

そんな、バスケットボール初心者に向けて、ルールの全体像を解説していこうと思います!

内容は以下の通りです。

  • バスケットボールの基本ルール
  • やってはいけないプレー その1:バイオレーション
  • やってはいけないプレー その2:ファウル

「基本的なルール」と「やってはいけない2つの約束」を知るだけで、バスケットボールがグッと楽しくなります。少し長くなりますが、まずはサラッとでいいので、概要をつかんでおきましょう。

この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。

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バスケットボールの基本ルール

そもそも何をする競技?

バスケットボールは

  • 1チーム5人のプレイヤー同士で戦う競技(5対5のチーム戦)
  • 競技時間内に相手チームのバスケットにより多く得点したチームの勝ち

という、とてもシンプルな競技になっています。次に「競技時間中に」という部分を詳しく説明していきますね。

競技時間

競技時間は、基本的に10分間を1セットを4回行う「クォーター制」でなりたっています。合計の試合時間は40分です。(その昔は、前半20分・後半20分という時代もありましたが、現在はこの10分4クォーター制が適応されています。)

各クォーター間に休憩時間もありますので、試合全体でいうと

  • 1クォーター:10分
  • 休憩:2分
  • 2クォーター:10分
  • 休憩(ハーフタイム):10分(or 15分 ※大会によります)
  • 3クォーター:10分
  • 休憩:2分
  • 4クォーター:10分

このような形で流れていきます。後ほど説明する「作戦タイム」や「ファウル」で試合時間が止まっている間をふまえても、だいたい1時間半〜2時間ほどで1試合が終了することになります。サッカーや野球に比べると、とてもコンパクトですね。

ただし、日本のバスケットボールにおいては、小学生(ミニバス)・中学生・高校生などで競技時間が異なりますし、ローカルの大会では独自の競技時間が定められることもあります。また、オリンピックなどの国際試合と、NBAでも試合時間が異なりますので注意が必要です。

主なものをご紹介すると

  • ミニバス:6分4クォーター(試合時間:24分)
  • 中学生:8分4クォーター(試合時間:32分)
  • 高校生・大学生:10分4クォーター(試合時間:40分)
  • Bリーグ:10分4クォーター(試合時間:40分)
  • 国際試合:10分4クォーター(試合時間:40分)
  • NBA:12分4クォーター(試合時間:40分)

このように、カテゴリや大会によって、競技時間が変更されています。ここでは解説を省きますが、同点時の延長戦など、ルール上、細かく決まっている部分もあるので、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。原文にて内容を確認することができます。

交代

競技時間が止まっている間に行われることの一つに「交代」があります。

バスケットボールは5人のプレイヤー同士での競技になりますが、ベンチに交代要員をおくことができます。こちらもカテゴリや大会ごとにより規定はことなりますが、以下の人数が一般的です。

  • 国際大会など:交代要員7人(プレイヤー5人を合わせて、ベンチ入りが12人)
  • 高校生など:交代要員10人(プレイヤー5人を合わせて、ベンチ入りが15人)

また、野球やサッカーなどと違い、プレイヤーと交代要員は何回でも交代することができます。これはバスケットボールの特徴ですね!

  • 野球・サッカー:プレイヤーAとベンチメンバーBを交代
    • →ベンチに下がってしまったAは再び試合にでることはできない
  • バスケ:プレイヤーAとベンチメンバーBを交代
    • →ベンチに下がってしまったAが再び試合にでることもできる

交代ができるタイミングなど、細かな規定は以下の原文ページにて書かれていますので、詳しく知りたい方は確認をしてみてください。

タイムアウト

競技時間が止まっている間に行われることのもう一つに「タイムアウト」があります。

これは、試合の流れが悪くなってきたときに、コーチがとる「作戦タイム」のようなものですね。悪い流れを切ったり、次の作戦を伝えるために使用されます。

タイムアウトができる回数には制限があり、どのタイミングでタイムアウトを行うかは、コーチの腕の見せ所になります。

  • 前半(第1クォーターと第2クォーター)に2回
  • 後半(第3クォーターと第4クォーター)に3回
    • ただし、第4クォーターで、ゲームクロックが2:00あるいはそれ以下を表示しているときには2回までしかタイムアウトをとることはできない

「悪い流れを切りたいけど、まだ後半も始まったばかり。もう少し終盤にタイムアウトをとっておきたい…!」「いや、でもここでタイムアウトをしないと試合が決まってしまう…!」など、ベンチにいるコーチも一緒になって試合を戦っているんですね。

タイムアウトができるタイミングなど、細かな規定は以下の原文ページにて書かれていますので、詳しく知りたい方は確認をしてみてください。

得点

バスケットボールは試合時間終了時に、より多くの「得点」をいれていたチームの勝ちになる、ということを先にご説明しました。では、その得点にはどのような種類があるのか気になりますよね。

この得点は、大きく分けて3種類しかありません。

  • 1点:フリースローによる得点
  • 2点:通常のシュートや、レイアップ、ダンクによる得点
  • 3点:3ポイントラインの外(=3ポイントエリア)からの得点

シュートはすべて2点。ただしフリースローの時は1点で、遠くからいれていたら3点。このくらいで覚えておくといいでしょう。ただし、小学生(ミニバス)での競技においては、3ポイントエリアは存在しておらず、どこから入れても2点になります。不思議ですが、ミニバスはまた独自のルールが定められているので注意が必要です。

さて、ここまででバスケットボールの基本的なルールをご説明していきました。ここまでを読めば、試合の流れは十分理解できるようになっているでしょう。

それでは次に「審判が何をしているのか」「なぜ笛が吹かれたのか」という疑問を解消していくことにします。

バイオレーション(やってはいけないプレー その1)

基本的な考え方

バイオレーションとはルール違反のことを指しています。プレイヤーは試合中にこんなプレーをしてはいけませんよ、という制限のことですね。

この違反をしてしまうと、審判は笛を吹いて試合時間を止めます。そして、相手ボールからのスローインでゲームが再開されることになります。

強いチームは「1試合のバイオレーション数が少ない」という特徴があります。これはつまり、自分たちのオフェンスが、違反(バイオレーション)ではなくシュートで終わっている=より得点チャンスが多いプレーができている、ということです。得点を競う競技において、どれだけミスを減らせるかは重要なポイントということですね。

それでは次に、主なバイオレーションを、一つずつ簡単にご紹介していきます。

主なバイオレーション

アウトオブバウンズアウト

アウトオブバウンズとは、サイドラインやエンドラインで作られているコートから外に出てしまうことを指します。部活動などでは「ラインクロス」と表現されることもあるかもしれません。サッカーでも同じようなルールがあるので、想像はしやすいですよね。

ただし、「両プレイヤーがボールを触りながらラインを出たらどうなるの?」など、バスケ経験者でも判断が難しいケースもあります。詳しく知りたい方はルールの原文に目を通してみてください。

トラベリング

トラベリングとはボールを持った状態で3歩以上動いてしまう違反です。審判のジェスチャーが有名かもしれませんね。

2017年頃から「0ステップ」という概念が適応されたため、どこまでのプレーがOKなのか、非常にわかりづらくなりました。詳しく知りたい方は別ページでも解説をしていますので、そちらも読んでみてください。

ダブルドリブル

ダブルドリブルとは、一度やめたドリブルを再び始めてしまう違反になります。これもトラベリングと同じくらい有名なルールですね。体育の授業や遊びのなかでも、必ず適応されているのではないでしょうか。

実は、このドリブルについても、細かく規定がされています。詳しくは別ページで解説をしていますので、そちらも確認してみてください。

3秒

オフェンス側のプレイヤーは制限区域内に3秒以上とどまってはいけない、というルールになります。制限区域とは、リングとフリースローラインの前にある長方形の領域になります。

おそらく、初心者が観戦をするときに、もっともわかりづらいのはこのバイオレーションではないでしょうか。ボールをもっていないプレイヤーにおいても適応されるルールになるので、見ていなかった所で笛が鳴らされることもあります。

バスケットボールはゴールに近いところでプレーをするのが一番で、大きな選手が制限区域付近から攻撃をしかけるケースが非常に多いスポーツです。その攻撃に制限があることで、小さな選手しかいないチームでも勝負がしやすくなっています。

8秒

オフェンス側のチームは8秒以内にフロントコート(センターラインより前)までボールを運ばなくていけない、というルールになります。

オールコートでディフェンスをされ、ボール運びをしているタイミングからプレッシャーをかけられているようなケースで発生しやすいのがこちらのケースです。運動量に優れるチームや、身長では不利にあたるチームが仕掛ける戦略でもあります。

8秒の考え方において、もっとも重要なのは、「何をもってフロントコートまでボールを運んだことになるのか」ということです。詳しく知りたい方は原文ページをご確認ください。

24秒

オフェンス側のチームは24秒以内にシュートを打たなくてはいけない、というルールになります。

バスケットボールは得点を取り合う競技です。各チームのオフェンス回数を増やすために、1回の攻撃にかけられる時間が規定されています。初心者の方はここまでは頭にいれておきましょう。

経験者でも難しいのは、この24秒クロックの「リセット」について。ケースによって24秒にリセットする時、14秒にリセットする時、そのまま継続する時と、対応が分かれてくるのですが、それが正しく行われず、チーム間で揉めてしまうこともよくあります。

24秒ルールというのはそれだけ奥が深く、バイオレーションのなかでも最も難解なものといってもいいかもしれません。プレイヤーもコーチも、一度はルールの原文に目を通しておくことをオススメします。

バックパス

バックパスは、一度ボールをフロントコート(ハーフラインよりゴール寄り)まで運んだら、バックコート(ハーフラインより後ろ)にボールを戻してはいけない、というルールになります。

ここでもポイントは「何をもってボールをフロントコートまで運んだことになるのか」ということ。詳しくは原文ページよりご確認ください。

ファウル(やってはいけないプレー その2)

基本的な考え方

ファウルもルール違反の一種になります。バイオレーションと異なるのは、
・相手チームのプレイヤーと不当な体の触れ合いがある
・またはスポーツマンらしくない行為である
という点です。

この違反をしてしまうと、相手ボールからのスローインでゲームが再開されることになるだけではなく、フリースローという得点チャンスが相手プレイヤーに与えられるケースも発生します。通常のバイオレーションより重い罰則になることが多いので注意が必要です。

バスケの試合を見ていると体の触れ合いは四六時中おきていると思います。それではどのようなプレーが「不当な体の触れ合い」になるのか。次に解説をしていきます。

シリンダーと正当なディフェンス

「不当な体の触れ合い」を知るためには「正当な触れ合い」を知る必要があります。ここで、大事になるのがシリンダーの概念です。

プレイヤーをとり囲う筒状の領域のことをシリンダーといいます。

真上の空間を含め、ここはそのプレイヤーが占める領域であり、その中でジャンプをしたり手や腕をあげて触れ合いが起こっても、そのプレイヤーに責任はないものとなります。逆に、このシリンダーから外れた空間で、相手プレイヤーに触れ合いを起こすと、責任が問われることになり、以降説明するファウルが適応されることになります。

このように、プレイヤーは自分の占める領域では優位にたつことができるので、お互いによりよいポジションを取ろうと競うことになります。コーチのなかでは、バスケットボールは「陣取りゲーム」という表現を使う人もいますが、それはこのシリンダーの概念があるからなのです。

オフェンスのファウル or ディフェンスのファウル?

ぶつかり合いの激しいバスケでは、オフェンス側・ディフェンス側、どちらのファウルだったのか、ということが問われるケースがよく起こります。そのときにも基本的にはシリンダーの考え方が重要です。


ディフェンスのプレイヤーが先に位置を占めており、シリンダー内の胴体(胸やお腹)で触れ合いがおきたのであれば、その接触はオフェンス側に責任が問われます。逆に、シリンダー外の領域で接触が起きればディフェンス側に責任が問われるケースがほとんどです。こう考えるとディフェンス側が圧倒的に不利ですね。

ディフェンスができるようになるには、こうしたルールを正しく理解をした上で、オフェンス以上に練習を積み重ねる必要があります。練習をするまえに、ルールの原文で確認してみてはいかがでしょうか?

主なファウルの種類

次に主なファウルの種類を紹介します。審判のジェスチャーと共にご紹介しますので、試合中このジェスチャーをみたら、ファウルが行われたのだと知っておきましょう。

プッシング

プレイヤーがボールをもっている・いないに関わらず、手や体で相手プレイヤーを無理に押しのけてしまうファウルになります。オフェンス側もディフェンス側も適用されることがあります。

ホールディング

プレイヤーがボールをもっている・いないに関わらず、相手プレイヤーの自由な行動を妨げる不当な体の触れ合いがあるファウルになります。手で掴んだり、脇で挟んだりするプレーが対象となります。

ブロッキング

プレイヤーがボールをもっている・いないに関わらず、相手プレイヤーの自由な動きを妨げるを妨げる不当な体の触れ合いがあるファウルになります。プッシングやホールディングに明確に該当する行為ではないが、シリンダーの外でわざと体を接触させるようなプレーが対象となります。

チャージング

プレイヤーがボールをもっている・いないに関わらず、無理に進行して相手プレイヤーの胴体に突き当たってしまうようなファウルになります。主にオフェンス側に適応されます。

アンスポーツマンライクファウル

激しく危険な体のぶつかり合いや、ボールを取ろうとしていない不当なファウルなど、正当なバスケットボールのプレーとは認められないファウルにあります。

相手チームにフリースローが与えられるだけではなく、そのまま相手チームのスローインから開始となる、比較的重いファウルとなります。サッカーでいうイエローカードのようなイメージをもってもらえると良いかもしれません。

他にも適応例はたくさんありますので、詳細は原文ページからご確認ください。

テクニカルファウル

審判に暴言をはくなど、スポーツマンらしくない言動や振る舞いに対するファウルになります。相手チームに無条件でフリースロー1本が与えられることになります。他にもたくさんの適応例がありますので、詳しくは原文ページをご確認ください。

罰則

罰則:ファウルをすると、相手ボールからのスローイン、またはフリースローというボーナスチャンスを相手にあたえることになります。ここではこのフリースローについて、簡単に解説をしておきます。

フリースロー

シュート時にファウルをしてしまうと、フリースローという得点チャンスを相手に与えることになります。フリースローは1本決まるごとに1点が加算されます。フリースローの本数はファウルのシチュエーションによって変わってきますので、簡単にまとめておきます。

  • 2点シュート中にファウル&シュートは外れる:
    • →2点シュートは無効&フリースローを2本うつ
  • 2点シュート中にファウル&シュートは決まる:
    • →2点シュートはカウント&フリースローを1本うつ
  • 3点シュート中にファウル&シュートは外れる:
    • →3点シュートは無効&フリースローを3本うつ
  • 3点シュート中にファウル&シュートは決まる:
    • →3点シュートはカウント&フリースローを1本うつ

フリースロー時の決まりごとなど、細かい規定は原文ページより確認ください。

チームファウルのフリースロー

バスケットボールではクォーターごとにチームが何回ファウルをしてしまったかを記録しています。これをチームファウルといいます。
このチームファウルがクォーター内で5回目のファウルからは、シュートをしていないケースにおいてもフリースロー2本が相手チームに与えられることになります。