【戦場】ゴール下ならチャージングにならない?ケースで解説します。

バイオレーションの解説

先日、こんなツイートをしました。

#バスケのルールテスト
A3が放ったショットがリングに触れリバウンドになった。A1がリバウンドをとりセミサークルエリア内に着地をした。その後A1はパワードリブルからシュートを試みたが、セミサークルエリア内でリーガルガーディングポジションを占めているB1に正面からぶつかった。

今回はノーチャージエリアについての問題です。

私の肌感覚では、このルールは試合中けっこう揉めることが多いんですよね。

今回も60名ちかくの人に投票いただきましたが、見事に意見が二分されています。

どちらが正しいのか。今日はこちらを解説していこうと思います。

内容は以下の通りです。

  • ゴール下ならチャージングにならない?ケースで解説します。
  • なかなか浸透しないファウルの線引き

この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。

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ゴール下ならチャージングにならない?ケースで解説します。

さっそくですが、今回のケースの答えです。

答え:オフェンスファウルになります

今回のケース、ノーチャージエリア内とはいえ、オフェンスファウルになるんです。

投票における正答率は43%。過半数の人がノーファウルだと思っていたということですから、このルールがどれだけ理解しづらいのか、感じとることができますね。

今回もきっちりルールブックに照らし合わせて解説をしていきます。

オフェンスファウルにならない条件

それでは、さっそく定義をみていきます。

ノーチャージセミサークルエリアにペネトレイトしてくるプレーにおいて、空中にいるオフェンスのプレーヤーがノーチャージセミサークルエリアにいるディフェンスのプレーヤーと触れ合いを起こしても、オフェンスのプレーヤーが手、腕、脚、その他の体の部位を不当に使って触れ合いを起こした場合を除き、オフェンスファウルは宣せられない。この規則が適用されるのは以下の全ての条件を満たす場合である:

◦ オフェンスのプレーヤーが空中でボールをコントロールしていること
◦ そのオフェンスのプレーヤーがショットあるいはパスをしようとすること
◦ そのオフェンスのプレーヤーとの間に触れ合いが生じたディフェンスのプレーヤーの片足あるいは両足が、ノーチャージセミサークルエリア内のフロアあるいはノーチャージセミサークルのラインに触れていること

P43 第33条 コンタクト(基本概念) 33-10 2019バスケットボール競技規則

この原文のなかでも、一番おさえていただきたいのは

オフェンスはペネトレイト(ドライブ)している&空中にいる

ということです。

簡単にいえば、ノーチャージエリアの外から突っ込んでくる場合はオフェンスファウルにならないということですので、裏を返せば、それ以外のケースは通常通りオフェンスファウルが適用されます。

今回のケースは「ノーチャージエリア内でリバウンドをとった後の攻防」というシチュエーションでしたので、ノーチャージセミサークルエリアのルールは適用されず、普通にオフェンスファウルが取られる、ということだったんですね。

なかなか浸透しないファウルの線引き

正直、このルールの浸透率は本当に悪いですよね。

たしかにコート上にラインが書かれているので、何かしらのルールが追加されたことはどんなプレイヤーでもわかるのですが、

「いつの間にかペイントエリア内に謎の半円ができている。」「何やらこの中での接触はオフェンスファウルにならないらしい。」

このくらいの肌感でいる方が多いように感じます。

もしこの認識の通り、セミサークル内のすべての接触がオフェンスファウルなしなのであれば、ゴール下は殴り合いになってしまいますよね…。ディフェンスのしようもありません。

冷静に考えればそんなことあるはずがないのですが…。それでもなかなか浸透していかないことを思うと、新ルールの適応ってなかなか難しいですね。

ファウルの定義を読む。これ全員必須です。

このような間違った理解でプレイをしない為にも、細かい定義が記載されているルールブックを読む習慣をつけましょう。

特にファウルについては試合の流れを決める大きなポイントなので、原文を読んでおいて損はありません。今回のケースに限らず、いろいろな場面で認識を改めることができるでしょう。

何をもって正当なディフェンスとなるのか。何をもってファウルになるのか。その線引きはどこにあるのか。

これはバスケを始めるときに必修科目として受講させたほうがいいほど、重要な内容です。

このサイトでも掲載しているので、合わせて読んでおくことをお勧めします。

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