【注意】4Q残り2分からのスローインとファウル。ケース解説します

ファールの解説

先日、こんなツイートをしました。

#バスケのルールテスト
第4Q残り1:02、A1がスローインのためにボールを持っている。コート上ではパスを受けようとA2が動いている。そのとき、A2のディフェンスをしているB2が、A2の手首をつかみ、その進行を妨げてしまった。

今回は4Q残り2分をきってからのスローインとその時のファールについての問題です。

このルール、きちんと把握していないと思わぬ落とし穴にハマることがあるのです…!

今日はこちらを解説していこうと思います。

内容は以下の通りです。

  • 4Q残り2分からのスローインとファウル。ケース解説します
  • 具体的な動画で理解を深めましょう

この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。

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4Q残り2分からのスローインとファウル。ケース解説します

まずはさっそく、今回のケースの答えです。

答え:アンスポーツマンライクファウルになります。

今回のケース、行なっていることは通常のパーソナルファウルのようにも思えるのですが、このシーンにおいては「アンスポーツマンライクファウル」が適用されます。

今回の正答率は76%!

これまで色々と出題をしてきて一番高い結果になっている。もっと簡単な問題も出していた気がするのですが…このルールはけっこう浸透しているんですね。意外でした。

それでも100%ではありませんので…今回もきっちりルールブックに照らし合わせて解説をしていきます。

アンスポーツマンライクファウルの条件

今回の4Q残り2分をきった後のスローインについては、アンスポーツマンライクファウルの規定に細かく記載があるんですね。まずはそちらをご紹介します。

第4クォーター、各オーバータイムで、ゲームクロックが2:00あるいはそれ以下を表示しているときに、ボールをアウトオブバウンズからスローインをするときに、まだボールが審判あるいはスローインをするプレーヤーの手にあるときに、コート上のディフェンスのプレーヤーが相手に起こしたファウル

P48 第37条 アンスポーツマンライクファウル 37-1-1 2019バスケットボール競技規則

まさか、アンスポーツマンライクファウルのなかに、こんな記載があったなんて…!という方もいるのではないでしょうか。まさに今回のケースを表していますね。

これ、ゲーム終盤で「時間を進めずファウルゲームを狙う」ようなプレイを阻止するために設置されたルールなんです。

たしかにこのルールがないと簡単にファウルゲームができてしまいますからね。戦略的にファウルを重ねるという戦い方もありますが、きちんとバスケットボールで勝敗をつけよう、というFIBAの意志なのかもしれません。

具体的な動画で理解を深めましょう

今回は、おさらいの意味もこめて以下の動画もご覧ください。

http://refsample.cdn.japanbasketball.jp/sample/2018UF/UFC5-1.mp4

JBAのサイトで掲載されているサンプル事例になります。

第4Q残り30秒という時点で、フランス(白)がバックコートでのスローイン。カナダ(赤)も直前に得点をいれ3点差と詰めているので、ボールを持たせまいとハードにディフェンスをしています。

そんなシーンで、赤丸の部分で接触が発生。ディフェンスの勢いが余って、赤の選手が白の選手を押してしまっています。

ピッ!!!

そこですかさず審判のコールが差し込まれ。アンスポーツマンライクファウルが宣言されます。

これにはコーチベンチもがっくり。ルール上、仕方がないことは分かっているとはいえ、この緊迫したシーンで、アンスポーツマンライクファウルは痛すぎますよね…!

リプレイで見ても、もろ押されてしまっているので…判定を覆すこともできません。

宣言されたアンスポーツマンライクファウルの通り、フランス(白)には2本のフリースローが与えられました。

このように、試合間際、ワンゴール差のような状況では、ディフェンスをするほうもそれだけリスクが増すことになりました。

ファウルゲームでボールを奪いたい。積極的なディフェンスでボールを奪いたい。

その気持ちはわかるのですが、アンスポーツマンライクファウルを受けてしまっては一気に試合が決まってしまうようなことも起きますので、十分注意が必要です。

もしこのルールが分かっておらずファウルをしてしまったら…一番悲惨な事態ですよね。

今回のケースは正答率からもほぼ大丈夫だと思いますが、いつそんな落とし穴に落ちるかわかりません。日頃からルールを正しく学ぶ癖をつけておきましょう!

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