先日、こんなツイートをしました。
【#バスケのルールテスト】 A1がバックコートからフロントコートにいるA2に向かってパスをした。そのパスの途中、ボールが空中にある時、体の一部がフロントコートについている審判にボールがぶつかってしまい、跳ね返ったボールは再びバックコートに戻った。A1はそのボールをキャッチした。
今回はツイッターのフォロワーさんからのご質問。(いい問題をありがとうございます!)
90人くらいの方に投票いただきました。
選択肢は2択でしたが、一瞬「ん?」と思うようなケースですよね。
今日はこちらを解説していこうと思います。
内容は以下の通りです。
- 審判にボールが当たってバックパス?ケースで解説します。
- もう一つ、別のケースを解説します。
- 細かいところまで理解できているか。
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
審判にボールが当たってバックパス?ケースで解説します。
さっそくですが、今回のケースの答えです。
答え:バイオレーションにはならず継続です
今回のケースは、論点は「バックパス」ですが、この観点ではバイオレーションには該当しないんですね。
投票における正答率は70%。今回はじめて正解が過半数になった気がします…!肌感があっているケースをようやく見つけることができました。
一方、30%は間違えてもいますので、きちんとルールブックに照らし合わせて解説をしていきます。
バックパスになる条件
ルールブックでは、バックパスのことを「ボールをバックコートに返すこと」という表現にて、バイオレーションの1つに記載さています。「パス」ではないケースもあるよ、ということですかね。
こちらの記事では一般で使われている「バックパス」という表現を便宜上つかわせてもらいます。
それでは、さっそく定義をみていきます。
以下の場合、ボールはルールに違反してバックコートに返ったことになる。
P37 第30条 ボールをバックコートに返すこと 30-1-2 2019バスケットボール競技規則
フロントコートでライブのボールをコントロールしているチームのプレーヤーが、フロントコートで最後にボールに触れ、次にボールが、
◦ 体の一部がバックコートに触れているそのチームのプレーヤーに最初に触れた場合
◦ そのチームのバックコートに触れたあと、そのチームのプレーヤーに最初に触れた場合
ポイントは「フロントコートでライブのボールをコントロールしているチームのプレイヤーが」という部分です。
審判にボールが当たったとしても、フロントコートでボールがコントールされたことにはなりません。だから、バックパスには該当しない、という理屈になります。
もう一つ、別のケースを解説します。
ここまで解説をしましたが、今回のケース、実際の試合ではほとんど起きなそうな印象もあります。
コート内のパスコースに審判が入ってくるなんて、普通あまり考えれないですからね…。もし入ってしまうとしたら、ポジション取りがなかなか下手な審判ですよね…。
では、もう少し現実的なケースに落とし込んでみましょう。
審判がフロントコートとコート外を跨いで立っていたら
フロントコートとコート外を跨いで立っている審判に、ボールが当たってしまったら、判定はどうなるしょうか?こちらのほうがまだケースとしては考えられそうです。
ルールブックにはこんな記載があります。
審判の位置も、プレーヤーと同じ方法で決められる。ボールが審判に触れたときは、その審判のいる位置のフロアに触れたものとする。
P21 第11条 プレーヤーと審判の位置 11-2 2019バスケットボール競技規則
つまり、ボールが「コート外」に触れたものとして扱われますので、アウトオブバウンズのバイオレーションとして処理されます。
ちなみに先日、このようなツイートもいただきましたが
もし審判がコート外に触れているような状況だったのであれば、アウトオブバウンズの判定が正しいように考えられますね。
咄嗟のケースでみんな「ん?」となりそうだからこそ、こうしたルールの原則を覚えておくと役にたつかなと思います。
細かいところまで理解できているか。
今回の解説は以上です。いかがでしたでしょうか?
肌感でなんとなくわかっていたことでも、しっかり原文まで目を通すことで理解が確信にかわります。こうした積み重ねが、自信をもってプレイにもつながってくるのです。
細かい定義まで記載されているのがルールブックです。何か少しでも「ん?」と思うケースに遭遇したら、ルールブックに照らし合わせて確認をする習慣をつけるのはいかがでしょうか
今回ご紹介した原文も、すべて別ページにまとめてありますので、よかったらこの機会に目を通してみてください。