先日、こんなツイートをしました。
【#バスケのルールテスト】
ゲーム中、コートにチームAのプレーヤーが6人以上出ていることに審判が気づいた。チームAがボールをコントロールしていたのでゲームを速やかに止め、不当に出場していた6人目のプレーヤーをベンチに戻した。
今回は少しマニアックな問題かもしれませんね。そもそもあまり見ないケースなだけではなく、判定のあと、スコアシートにどのように記載をするかまで回答が別れています。
テーブルオフィシャルって、試合終わりの選手がそのまま行うケースが多いと思いますが、意外とちゃんと勉強したことってないのではないでしょうか?
今日はこちらを丁寧に解説していこうと思います。
内容は以下の通りです。
- もしも選手が6人出場していたら?ケースで解説します
- ルールブックで理解を深めましょう
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
もしも選手が6人出場していたら?ケースで解説します
まずはさっそく、今回のケースの答えです。
答え:チームAのコーチにテクニカルファウルで、B1と記録されます。
今回のケースはコーチにテクニカルファウルが吹かれ、B1という表記で記録される処置となります。
正答率はなんと22%!3人に2人はテクニカルファウルであると正しく判断できましたが、そのあとテーブルオフィシャルのスコアではなんと記録がされるかまでは、さすがに難しかったようですね。
ルールブックに照らし合わせながら、順に一つずつ解説をしていきます。
テクニカルファウルの規定
まずは今回のケースが、テクニカルファウルの条文になんと書いてあるか確認をしていきましょう。
チームがコート上に6人以上のプレーヤーを同時に出場させてしまった場合、相手チームに不利にならない状況でできるだけ早くゲームを止めて、誤りを訂正する。
P144 第36条 テクニカルファウル 36-5 2019バスケットボール競技規則
審判とテーブルオフィシャルズが適切に任務を遂行していた場合、1人のプレーヤーが不当にコートに戻ってきたかあるいはとどまったことが原因となり6人以上のプレーヤーが出場したことになる。
審判はそのチームの1人を速やかにベンチに戻し、そのチームのコーチにテクニカルファウルを与え「B1」と記録する。コーチは交代が正しく行われ、交代されたプレーヤーが速やかにコートから退いたかを確認する責任がある。
このように、コーチは正しい交代を見届ける責任をきっちり行わなかったので、テクニカルファウルが適応されることになります。条文でここまで明示されていたら否定しようがありませんね。
ここまでは66%の人は答えることができました。
それでは次に記録の部分。そもそもB1とかC1ってどう違うのかを見ていきます。
コーチに記録されるファウルについて
スコアシートにファウルを記載する欄がありますが、そこでコーチのファウルについても記録を残していくことになります。
その時にどのような記述をすればいいのか。これもルールブックに明示されています。
コーチ自身のスポーツマンらしくない振る舞いに対して宣せられるテクニカルファウルは「C」と記入する。同様の2個目のテクニカルファウルは「C」を記入し、すぐ隣の枠に「GD」を記入する。
P76 図8スコアシート 8-3-3,8-3-4 2019バスケットボール競技規則
それ以外の理由でコーチに記録されるテクニカルファウルは「B」と記入する。3個目のテクニカルファウル(そのうちの1個は「C」でも可)は「B」または「C」と記入し、最後の枠の隣(欄外)に「GD」を記入する。
つまり、コーチ自身が暴言を吐いてしまったり、何かスポーツマンらしくない振る舞いをした時にはコーチを表す「C」、それ以外の理由(主にベンチ選手に関わるもの)の場合はベンチを表す「B」というように表記が分けられることになります。
そして、その表記のあとに、フリースローの本数を表す数字を記載することになるので、テクニカルファウルであれば「1」を記載する、ということですね。
結果、今回のケースでは「B1」という記録が残ることになります。
ルールブックで理解を深めましょう
いかがでしたでしょうか?
今回のケース、はじめてスコアシートにまで言及をしている問題だったので、かなり難しかったのではないでしょうか?
正直、プレイヤーにとってはあまり関係のないことかもしれませんが、実際の試合では、試合後のプレイヤーがテーブルオフィシャルを行うことがほとんどだと思います。
そんな時に、きっちりとオフィシャルもやれる選手ってかっこいいですからね。こうした特殊なケースでも対応できるように、細かいところまで学んでおきましょう。
スコアシートもそうですが、テーブルオフィシャルについても解説記事をどんどん作っていこうと思います。