- 審判がスローインでボールを渡す時に何かやってる…?
- あれは何を示しているんだろう?
- あのあと何かすると罰則を取られるの?
この記事ではこういった疑問に答えていきます。
内容は以下の通りです。
- プリベンティブシグナルとは
- スローインにおける「最新ルール」に理由あり
- 実際のケースを動画で確認
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
プリベンティブシグナルとは
プリベンティブシグナル(別名:イリーガルバウンダリーラインクロッシングシグナル)とは、スローイン時、審判が腕を振り、スローインをする選手の前にいる「相手選手」に警告を示すジェスチャーのことをいいます。これらは、第4クォーター or 延長戦の残り2:00を切った後のスローインでしか示されることはありません。
イリーガルバウンダリーラインクロッシングシグナルは長すぎて覚えられないですね…。私も初めてみたとき何の呪文だろうと思いました。以降、プリベンティブシグナルで表現は統一していこうと思います。
ちなみにこのジェスチャー、最近になって見かけることが増えたと思います。なぜこんなジェスチャーが始まったのか。そしてこれは何を警告しているのか。その理由を次に解説していきます。
スローインにおける「最新ルール」に理由あり
最新のルールブック「JBA2019バスケットボール競技規則」を確認すると以下のような条文があります。
第4クォーター、各オーバータイムでゲームクロックが2:00あるいはそれ以下を表示しているときに、ディフェンスのプレーヤーはスローインを妨げるために体の一部を境界線を越えてコートの外に出すことや、障害物からラインまでの距離が2m未満のときに、スローインするプレーヤーの1m以内に近づいてはならない。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 17条-3-3
これは2019年から加えられた新ルールで、スローインにおける遅延行為を防ぐためのものになります。そのために「プリベンティブシグナル」を行って、審判は距離を取るように警告をしているんですね。
スローインひとつをとってもこのように細かくルールが決められており、今回のように新ルールが追加されることもあります。この機会に改めてルールブックにある条文を見返してみてはいかがでしょうか?
ちなみに「プリベンティブシグナル」の警告を受けてもなお、ディフェンス側が距離を取らなかった場合、遅延行為として「テクニカルファウル」が吹かれることになりますので注意してください。終盤間際でゲームの流れを変えるような間をとることは、それだけ罪がある、ということなのかもしれませんね。
実際のケースを動画で確認
実際に「プリベンティブシグナル」を行なっている、そして「テクニカルファウル」を吹かれてる事例はないか探したところ、以下のようなツイートを見つけましたので、参考ケースとして記載しておきます。
背景を踏まえてみていただけると、その理由がより理解できるかと思います。
以上、今回は「プリベンティブシグナル」についての解説となりました。2019年から適応されている新しいルールになりますので、正しく理解しておきましょう。