先日、こんなツイートをしました。
【#バスケのルールテスト】
A1は走りながらドリブルをしている。B2がディフェンスに来たので急に止まりドリブルを終えた。その際A1は勢い余ってバランスを崩したため、ピボットフットを動かすことなくボールを両手で持ったまま、その持っているボールでフロアに触れ体を支えバランスを保った。
たくさんの方に投票いただき、投票数は200越え!
今回はこちらのケースについて解説をしていこうと思います。
内容は以下の通りです。
- これはダブルドリブル?とあるケースを解説します。
- 肌感と違う実際のルール
- こうした認識を改めていきたい
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
これはダブルドリブル?とあるケースを解説します。
さっそくですが、今回のケースの答えです。
答え:これはダブルドリブルではありません。
そう、これはルール上「ダブルドリブル」には当てはまらないケースになります。ルールブックには以下の記載があります。
例:A1がドリブルをし、止まった。そのあと、
P123 第24条ドリブル 24-5 2019バスケットボール競技規則解説
⒜ A1はバランスを崩したが、ピボットフットを動かすことなくボールを片手か両手で持ったまま、その持っているボールでフロアに1度あるいは2度触った。
解説:どちらの場合もA1はピボットフットを動かしていないことから、バイオレーションではない。
明確に「バイオレーション」ではないと記載がありますね。つまりこれは改めてドリブルをしている行為ではないということです。
そもそもドリブルの定義とは
ではそもそもドリブルとはどのような行為を指しているのでしょうか。改めてルールブックをみてみます。
ドリブルとは、ライブのボールをコントロールしたプレーヤーが、ボールをフロアに投げたり叩いたり転がしたり、弾ませたりする動作である。
P32 第24条ドリブル 24-1定義 2019バスケットボール競技規則
つまり投げても叩いても転がしても弾ませてもいない今回のケースはドリブルではない、と捉えることができます。
ドリブルの定義は、別ページにも原文を細かくまとめているので、これを機会に一度ご覧いただいてはいかがでしょうか?
今回のケースでの注意点
ただし記載があった「ピポットフットを動かしていないことから」という部分。ここだけは注意が必要です。
これ、逆にいえば、ピポットフットを動かしてしまっているとトラベリングのバイオレーションにあてはまるということです。ダブルドリブルではない違反が発生することも考えられるケースだったので、細かく記載があるんでしょうね。
肌感と違う実際のルール
さて今回のケースの解説は以上になるのですが、答えてみていかがでしたでしょうか?
正直な話、私は現役バリバリのプレイヤーだったころ、今回のようなケースでダブルドリブルを取られたことがあります…!
その当時、ダブルドリブルってそういうものなのかな、と何も考えずに受け止めてしまっていたので、このルールを読んだときにかなり衝撃がありました。肌感とまったく違うではないか…!と。
今回ツイートで投票をしてもらった結果、200名以上の方に回答いただいたのですが、約40%の人が「ダブルドリブルである」と以前の私と同じような肌感でいることがわかりました。80名以上の人たちが私と同じような認識だったということです…!恐ろしい。
この結果をうけとめると、私と同じように、ルールを間違ったまま認識して肌感として定着してしまうことの怖さに、改めて気づくことができるのではないでしょうか。
こうした認識を改めていきたい
実際、今回のケース以外にも、間違った認識をしてしまっているケースがまだまだたくさん存在していると思います。私自身も今回の投票でその多さに改めて気がつくことができました。
今後もこうしたケース解説を通じて、誤った認識を少しでも正しくしていければと思います。(少なくとも今回誤った回答をされていた100人近い人たちの気づきにはなったはず。)
そしてルールを正しく学ぼうとする姿勢や行動が、プレイヤーやコーチの間のなかでも少しでも浸透してくれることを祈ります。