先日、こんなツイートをしました。
【#バスケのルールテスト】
チームBがバックコートからスローインしたボールを運んでいる際に、B1がバックコートでチャージングを宣せられた。ゲームはチームAがフロントコートのアウトからスローインして再開となる。このときショットクロックは
今回もたくさんの方に投票いただきました。そして見事に票が割れていますね。
今回はこちらのケースについて解説をしていこうと思います。
内容は以下の通りです。
- これは14秒?24秒?とあるケースを解説します。
- なぜ意見が割れたのか
- こうした認識を改めていきたい
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
これは14秒?24秒?とあるケースを解説します。
さっそくですが、今回のケースの答えです。
答え:14秒リセットが正解です。
そう、これは14秒にリセットをしないといけないケースになります。ルールブックには以下の記載があります。
審判が、ボールをコントロールしているチームのファウルやバイオレーション(ボールがアウトオブバウンズになった場合も含む)でゲームを止め、スローインが相手チームに与えられる度に、ショットクロックはリセットされる。
オルタネイティングポゼッションにより新たなオフェンスにスローインのボールが与えられる場合も、ショットクロックはリセットされる。
そのチームのスローインが以下の場所で行われる場合:
P36 第29条 24秒ルール 29-2-2 2019バスケットボール競技規則解説
◦ バックコートの場合、ショットクロックは24秒にリセットされる
◦ フロントコートの場合、ショットクロックは14秒にリセットされる
つまりここに書かれている通り、今回のケースでは「ファウルをした相手チーム」による「フロントコート」での再開となりますので「14秒」にリセットすることになります。
なぜ意見が割れたのか
さて今回のケース答えてみていかがでしたでしょうか?
今回のツイートでも100名ほどの方が回答してくれていたのですが、40%以上の方が誤った選択肢を回答していました。なぜこうした差が生まれてきてしまうのでしょうか。
原因はルール改正
その大きな原因はルール改正にあります。
実は今回のケース、2018年以前であれば「24秒」にリセットすることが正解でした。しかし2018年秋以降、FIBAのルール改正に則り国内でもルールが変更され「14秒」にリセットすることになったのです。
つまり、これは最新のルールを抑えていないと分かりようがない問題だったわけです。大会によっては2019年度から反映します、ということもあったでしょうから、まだ施行されて半年〜1年ほどしか経過していません。
そう考えると40%以上の人が間違えてしまうのも、なんとなく理解はできますね。
間違えて認識していた人は、2019年のルール改正ポイントや、24秒ルールの原文を別記事でもまとめていますので、この機会に一度読んでみてはいかがでしょうか?
最新ルールを知る術がない
こうしたルール改正は毎年のように起こっているのですが、部活動で毎日のようにバスケに接していない限り、こうした情報を得る機会はほとんどありません。
特に社会人カテゴリでは、こうしたルールを自ら学ばない限り、ルールに対する理解がアップデートされることがありません。その結果、昔やっていた部活動の肌感覚のみでプレーをしてしまうため、現在の判定にとまどってしまうケースも多いです。
たとえば
- 今:クォーター制 → 昔:前後半制
- 今:24秒ルール → 昔:30秒ルール
- 今:14秒リセットあり → 昔:24秒リセットだけ
- 今:8秒ルール → 昔:10秒ルール
このように今と昔ではルールが違うことがザラにあったりします。これらを全て正確にアップデートしていくには、ルールに対してもかなり前のめりにならないと難しいのが現状です。
こうした認識を改めていきたい
実際、今回のケース以外にも、間違った認識をしてしまっているケースがまだまだたくさん存在しています。特に、社会人やコーチなど、昔の肌感覚のままアップデートされていない人は注意が必要です。
大人たちがルールを正しく学ばなければ、そこから学ぶ子供たちにも、誤ったルールが浸透してしまいます。
いまのところ、自らルールを学ぶ以外の解決策はありませんので、ぜひ積極的にルールを学び続けましょう。