- バスケットボールをはじめたばかりでルールを知りたい。
- よくダブルドリブルを吹かれてしまう理由って?
- あの人のプレーはなんでOKなのか納得できない。
- 最近ルールが変わったらしいけど理解できない。
この記事ではこういった疑問やお悩みに答えていきます。
内容は以下の通りです。
- バスケの基本ルール「ダブルドリブル(イリーガルドリブル)」とは
- ルールブックにならって詳しい解説
この記事は、「バスケ歴20年」「JBA公認審判」である筆者による解説となります。ルールブックにのっとりながら丁寧に説明をしていきますね。
バスケの基本ルール「ダブルドリブル(イリーガルドリブル)」とは
一般的には「ドリブルを止めた後に、またドリブルをはじめてはいけない」という反則として知られています。この反則をしてしまうと、相手ボールのスローインからゲームが再開することになります。体育や遊びのなかであればこれさえ分かっていれば問題ありません。
しかし、いざ試合を行ってみると「これはどうなんだろう?」と思うケースがでてきます。そういった時にも冷静に判断できるよう、今回はルールブックにのっとって、原理・原則から解説していきます。
ルールブックにならって詳しい解説 〜基本編〜
定義とルール
まずはドリブルそのものの定義を確認をしていきましょう。
ドリブルとは、ライブのボールをコントロールしたプレーヤーが、ボールをフロアに投げたり叩いたり転がしたり、弾ませたりする動作である。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-1
ドリブルが始まるのは、コート上でライブのボールをコントロールしたプレーヤーが、ボールをフロアに投げたり叩いたり転がしたり、弾ませたりして、その後、他のプレーヤーが触れないうちに再びそのボールに触れたときである。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-2
ここまでは特に難しいことは書かれていませんね。単純にドリブルそのものの説明になっています。その上で、ルールとしては以下のように書かれています。これがいわゆる「ダブルドリブル」の反則となります。
プレーヤーは、ひと続きのドリブルが終わったあと、新たなドリブルをすることはできない。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 25条-1-2
ポイントは「ドリブルが終わるとき」
それでは「ひと続きのドリブルが終わった」とはどのような状態なのでしょうか。これを正しく理解できていないと、「気づかぬうちにドリブルが終えて、またドリブルを始めている」=「気づかぬうちにダブルドリブルをしてしまう」ことに繋がってしまいますので注意が必要です。まずは条文をみていきましょう。
ドリブルが終わるのは、ドリブラーの両手が同時にボールに触れるか、片手または両手でボールを支え持ったときである。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-2
このように定義されています。つまり、ここから
- 両手でドリブルを1往復以上つくのはNG (=)
- ボールを手のひらに乗せるようなドリブルはNG
ということがわかります。
ルールブックにならって詳しい解説 〜応用編〜
他にもドリブルには細かいルールが書かれています。実際の試合でも該当するようなケースが起きることがありますので、一通り知っておいて損はありません。ここではそのケースごとに解説をしていきます。
Q:ドリブルをやめた後、またドリブルをついてもいいケースって?
ドリブルを終えてしまったプレーヤーは、基本的にシュートかパスしか選択肢がありません。ただし、以下のようなシチュエーションであれば、再びドリブルを始めることができます。
ただし、以下のことでライブのボールのコントロールをいったん失ったあと、再びボールをコン
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-2
トロールしたときは、新たなドリブルをすることができる:
◦ フィールドゴールを放つ
◦ 相手プレーヤーがボールに触れる
◦ パスまたはファンブルしたボールが、他のプレーヤーに触れる
つまり
- シュートを打つも、再びボールを拾う(リバウンドをする)=改めてドリブルをしてもOK
- 相手プレーヤーにカットされボールを落とすも、再びボールを拾う =改めてドリブルをしてもOK
- 味方にパスしたボールが相手にぶつかり転がるも、再びボールを拾う=改めてドリブルをしてもOK
ということですね。ルールがよく分からない人にとって「あれ、ダブルドリブルじゃないのかな?」と疑問に思うケースはだいたいこのどれかに該当します。しっかり理解をしておきましょう。
Q:ボールを空中になげてまたキャッチをするのはOKなの?
ボールをお手玉のように扱ってしまうような、こちらのケース。結論を先にお伝えすると、この場合はNGです。具体的には以下の条文にひっかかってくることになります。
ドリブルの間ボールを空中に投げることもできるが、ボールがフロアや他のプレーヤーに触れる前に、ボールを投げたプレーヤーがもう一度自分の手でボールに触れることはできない。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-2
ちなみに、こちらのケースをトラベリングと宣言されることがある人もいるかもしれませんが、それは誤った判定となります。なぜなら、ドリブルの項目に、以下のようなことが書かれているからです。
ボールが手に触れていない間は、そのプレーヤーの踏むステップの数に制限はない。
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-2
バイオレーションであることには変わりありませんが、プレイヤーとしても、こうした細かいところまで理解ができているといいですね。
Q:わざとバックボードにボールを当てるのってあり?
NBAなどでよく見られるプレイですが、ドリブルをしおわったプレイヤーがわざとバックボードにボールをあて、自らリバウンドをとりシュートを狙うこちらのケース。元々はバックボードにボールを当てる行為もドリブルと見なされていたのですが、2019年のルールから、これはドリブルに該当しなくなりました。
以下の行為はドリブルではない:
【JBA】2019バスケットボール競技規則 24条-1-4
◦ 連続してフィールドゴールを放つこと
◦ ドリブルを始めるときや終わるときにボールをファンブルすること
◦ 他のプレーヤーの近くにあるボールをはじき出してコントロールしようとすること
◦ 他のプレーヤーがコントロールしているボールをはじき出すこと
◦ パスされたボールをはじき落としてそのボールをコントロールしようとすること
◦ トラベリングにならない範囲で、フロアにボールがつくことなく、片手もしくは両手にそ
のボールがとどまらないように、手から手にボールをトスして移すこと
◦ バックボードを狙ってボールを投げ、再びボールをコントロールすること
より具体的にイメージできるように2つのケースで解説をしておきます。
ケース1
まだドリブルをしていないA1がバックボードをめがけてボールを投げ、他のプレーヤーが触る前にそのボールをキャッチした。
↓
これはバイオレーションではない。ボールをキャッチしたあと、A1はショットやパス、ドリブルを始めることができる。
ケース2
ドリブルを終了したA1がバックボードをめがけてボールを投げ、他のプレーヤーが触る前にそのボールを再びキャッチするかボールに触った。
↓
これもバイオレーションではない。ボールをキャッチしたあと、A1はショットやパスをすることができるが、新たなドリブルを始めることはできない。
このような形ですね。実際にこのようなケースに遭遇すると違和感をおぼえるプレイヤーもいるかもしれませんが、ルール的にはOKだということをきちんと抑えておきましょう。
以上、今回はダブルドリブルについての解説となりました。バスケットボールにおける基本中の基本のルールになりますので、正しく理解しておきましょう。